全国大会に出場するような強い選手が日々どんな練習をしているのか、気になるお父さんお母さんは多いと思います。
中には、スクールの中でも特別扱いされ、かなり優遇された環境でレッスンしている子もいたりするようですが、ほとんどの子は他の子と一緒に普通に練習しているだけです。
日本の狭い土地の中でテニスをしている以上、これはどうにもならないことです。
なぜ、同じような練習をしているのに、差がでてくるのでしょうか。
スポンサーリンク
常に試合で使うボールを意識して練習している
強い選手は、試合の時と比べると練習中は意外とミスが多かったりします。
ペースを落として打てば、もちろん普通にコントロールできます。
上を目指す子は、「もう自分がコントロールできる威力のボール」を練習中では限られた場面でしか使いません。
「さらに威力がありコントロールできるボール」を打ちたいので、そのボールを打ちます。
自分が勝つためにどんなボールを打ちたいのか、そのためには何が必要なのかを常に考えています。
強い子が日々求めていることは、「自分がコントロールできるボールの威力をあげること」です。
ただ、ストレス発散にバカバカ打っていては、強くはなれません。
向上心のある子は「自分が打ったボールの感覚(打点、スイング速度、態勢など)」「実際にそのボールがどう飛んだか(軌道、回転量、スピード、落下地点」この2点を1球1球考えて打っています。
試合で打つボールの質をいかに高めるか、この意識がものすごく高いです
意識を高くもって練習に臨もう。同じ練習内容でもその質はやる子によって差が出る
上を目指している子は、1球1球のボールに対する集中力がものすごく高いです。
レッスン内容は同じでも、レッスンを受ける子の意識の違いでその質は大きく変わってくると思います。
例えば、ラケットからボール出しの打ち込みの練習。
1人2球ずつ、ベースラインを踏んでから打つ。1球目はクロス、2球目はストレート。与えられた指示はこれだけです。
この練習を意識高く練習する子は
これらのことを全てのボールでやろうと頑張るわけです。
もちろん、打点に入りきれずに、ボールの打点が少し落ちてしまうことだってあるでしょう。
そういうときはスピンをかけたりして、ボールの軌道、打ち方、スピードを修正して打ちます。
自分の打ちたいように打ってるだけではありません。
その時の、打点、自分の態勢、相手のボールなどから最善の選択を瞬時にし、打つ練習を繰り返します。
だから、ミスもありますが、同じミスを繰り返すことはあまりありません。
意識をせずになんとなく練習している子は
ハードヒットして打ち込むことだけ考えて、打点やボールの入りかたなどあまり気にしていません。
打つことに意識がいきすぎて、打点に入るまでの意識が低いので、戻りが遅く、ベースラインを踏めず、また次の動きに入ります。
これだと、ただのストレス発散してバコバコ打ってるだけなんですよね。
練習中の学び、気付きがないんです。
お父さんお母さんの練習前と練習後の声かけが大切。練習をやりっぱなしにしない。
負けず嫌いな真面目な子は、こういう高い意識を言われなくてもできます。
小さい頃から強い子はこういうことを無意識にできる子がほとんどです。
ただ、大多数の子は言われなきゃできません。
意識高く練習できるようお父さんお母さんの、声かけが必要です。
でも1つ気を付けないといけないのは、練習中の声かけはやらないほうがいいです。
コートの中ではコーチにまかせ、親が口出すことではないからです。
このへんは、コーチとの信頼関係もあるので、気を付けましょう。
なので、大事なのは練習前と練習後。
練習前:「今日の練習で頑張ることは何か」
練習後:「今日の練習で頑張れたこと、うまくいかなかったこと、コーチに教えてもらったこと、明日頑張ること」
これを毎日確認しましょう。
忙しければ、送迎の車内で口頭での会話でもいいでしょう。でもできれば、ノートに毎日一言でもいいから書いていけば、自分の成長の印になります。
お父さんお母さんが送迎せず、電車などでレッスンに向かう子なら、テニスノートに一言でもいいからレッスン前、レッスン後に書く習慣をつけましょう。
この時大切なのは、練習後の確認ポイントを話しながら、「自分で考えさせる」ことです。
「うまくいかなかったこと」を聞く→「じゃぁどうしたらうまくいくかな?」と次回頑張るポイントを自分で考えさせることが大切です。
「うまくいかなかった」ことのみに子どもは固執しがちです。ポイント練習で〇〇ちゃんに負けた、チャンスボールが入らなかった、などそのことのみが頭にあります。
大切なのは、「なぜそうなったか」です。
〇〇ちゃんに負けた→「何で負けたのかな?」→先に自分がミスした→まずは相手のボールを返そう
などと、次の練習に向けて自分でどういうふうにしたら強くなれるか、考える習慣をつけることが大切です。
親は「こうしたら勝てる」と答えをすぐに子どもに与えがちです。
一緒に会話をし、次の練習にむけてどうがんばったらいいのか話していく中で、子供と一緒に考えましょう。
与えられただけの情報は子供の中に根付きません。
一緒に考え、子ども自身が導き出した答えだからこそ、練習中に意識できるようになるんだと思います。
時間があれば練習を見にいこう
時間があれば、お子さんの練習を見に行ってあげてください。
そして、コーチが言ってることをよく聞いてください。
お子さんが直接コーチに質問していたり、何か教えてもらっているシーンがあればあとでお子さんに「あの時何をコーチと話していたの?」と聞いてあげましょう。
子どもは練習中、いろんなことを次から次に言われます。
その時はわかった、覚えたつもりでも、次のことを言われれば、忘れてしまうことも多いです。
練習を見に行くと、「あの練習の時ってコーチは何が大事って言ってた?」と子どもが思い出しやすく質問することができます。
そして、そのことをテニスノートに書くようにしましょう。
また、よっぽど態度が悪い、マナーが悪い、友達と喧嘩したなどのことでない限りは、子供の練習を見た後叱らないであげてください。
お父さんお母さんが練習見に来た→叱られる→練習を見にきてほしくないと子どもが思ってしまうことをを防ぐためです。
せっかく練習を見れるのですから、前見た時よりよくなったことを見つけ、練習後にたくさんほめてあげましょう。
「前は〇〇できなかったのに、今日はできるようになってたね、すごいね!
→もっと強くなるには、今度はどこがんばろうか?」
と次につながる会話をたくさんしてあげてください。
お父さんお母さんの日々の声かけから、練習中に学び、気付ける選手になることが大切です。
毎日の練習をやりっぱなしにするのではなく、子供が成長できるものにできるかどうかは、お父さんお母さんの声かけにかかっています。
コメント
コメントはありません。